【11/3設立2周年記念セミナー体験談】ネット・ゲームの問題を持つ家族として生きる

 11月3日(金祝)、設立2周年記念セミナーが開催されました。「ネット・ゲーム依存家族の会」より近藤さんの体験談にてお子さんとの取り組みを詳細にお話いただきました。その後、同会の代表である黒田さんから、「ネット・ゲーム依存」に関する家族の対応についてご自身の経験も踏まえたご説明がありました。親が変わるということがどれだけ子どもとの関係性、さらには子ども自身の変化に影響があるのかについて改めてよく理解できました。また、愛知県の児童精神科医、吉川徹先生のお話を伺って、インターネットやゲームの世界に没入する子どもたちの姿、認識を改める機会を与えられました。特に「教育虐待」については当の親御さんはさほど意識していないケースが多いのではないかなと、私の身の回りの家庭なども振り返りました。

 子の将来を案ずることは親として当たり前のことですが、だからといって子どもの行動を監視し活動に制限をつけ、制約によって子どもの自由や自主性を奪うことは誤っています。インターネットやオンラインゲームという基盤で彼らが生活する以上、親は覚悟を決めてその世界を自ら体験し、どんなものか恐れずに知ることがまずは大事な一歩なのだと実感しました。

 親は子どもの年齢に応じた助けを与え、子の失敗を受け入れる余裕を持ちたい、そのためには具体的に援助してくれる外部の資源を頼ることが重要です。家族の問題を抱え込むということは、張りつめた糸が家庭内に存在するということ。糸が切れないうちに、親御さんが積極的に各所に足を運ぶ。学校や医療などと連携し解決策を探るとともに、同じ問題を持つご家族と今の気持ちをぞんぶんに分かち合う、そうしてふっと楽になる。飛行機の酸素マスクの例えが印象的ですが、親が助かってはじめて子を助けられるのではないでしょうか。さらにはその自分自身の経験を語り伝えること、勇気や希望を他の人におすそ分けすることで、同じように悩む親御さんのお役に立てるのではないかなと考えます。それがおそらく、「ネット・ゲームの問題を持つ家族」としてのいわば使命なのかなと(少々大げさかもしれませんが)私は感じています。

東京都在住 渡邉